少し前に、商工会のあっせんで、無料の『地域密着型の集客』に関する経営セミナーに参加してきましたので、そのセミナーの内容や感想などをお伝えしたいと思います。
ぜひ参考にしていただければなと思います。

1 経営セミナー参加のメリット

これまで私は、経営とは無縁の仕事をしてきましたから、経営セミナー等それらのたぐいは1度も参加したことがありませんでした。今回、商工会から、このようなセミナーがありますが、参加しませんかというお話をいただいて、今後の経営のために参加することに決めました。

講義の先生:上久保瑠美子先生
上久保瑠美子オフィシャルサイト
とっても活動的で気さくで、お酒が大好きで、脳科学や心理学なども学んでらっしゃる先生で、自分ももし今後頼むことがあったら、先生にお願いしたいなと思いました。

ちなみに、セミナーの無料参加などの優遇を得られるメリット等をのせております、
【飲食店節約開業】商工会へ行ってみた感想
こちらの記事も、ぜひ合わせてお読みください。


まず、セミナーに行ってみて感じたのは、参加することによって、「よしやるぞ」という自分のモチベーションが上がることと、これまで自分が考えていた店の方針などの修正点が明確になりました。

そして、やはり、経営コンサルタントというプロの視点から経営をみると、普段の何気ない店の行いが、経営を下降させたり、はたまたそれが戦力となったりするのだなと不思議な感じがしました。


今回のセミナーは、異例の爆発的短期間で店舗数を増やした、だれもが知っている地域密着型フランチャイズ店の創業に携わり、現在は独立されて、数々のお店のコンサルタントを担当している先生による、『地域密着型』の経営戦略についての短い講和だったのですが、とても参考になりましたので、以下、私の備忘録も含めて記録したいと思います。

2 地域密着型の集客と営業の5つのポイント

お金をかけずに地元客をがっちり掴む5つのポイントは、
1 できる方法を考える
2 安売りしない
3 価値を考える
4 顧客満足を追求する
5 お客さんを共有する
というものでした。

これだけ見ても、ぴんと来ないですよね。なので、私なりの解釈も含めて、詳しく説明します。

ポイント1 『できる方法を考える』

『できる方法を考える』というのは、例えば繁盛していないとき、

繁盛してないお店は、〇〇だからお客が来ないんだと考え
繁盛するお店は、〇〇すればお客が来るのではないか

と考えるというのです。



フランチャイズと言えば、同じ値段同じマニュアルでやっているのに、なぜかその中で売り上げ1位と売り上げ何百位という差があり、その差は何かと問われると、大きな違いは絶対的にこれだそうです。


売上のわるい店の人は、
・立地条件が悪いから来ない
・地域柄お客さんが受け入れられないから来ない
・価格が高いから来ない
等と、できない理由のほうに目を向け、うまくいかない理由を並べるのです。

人間の脳科学上、「人間の脳は空白を嫌がる」そうなのです。つまり、「あ~あの人の名前なんだっけ」と思うと、しばらくしてふと思い出すことがあります。


それは、じつは、人間の脳は、「あの人の名前なんだっけ」と思ってから、無意識下でずーっとそのことを考え続けているのだそうです。


つまり、「どうしてお客だ来ないんだ」という思考だと、脳は無意識化で、常に、
できない理由、客がこない理由ばかりを考え続ける
というのです。驚きですよね。

逆に、『どうやったら客が来るだろう』という思考だと、脳が無意識に
お客が来る方法を考え続け、前向きな閃きが起こる
ということです。

これは、子供への問いかけも同じで、「どうしてできないの?」と問うと、子供はできない理由に目を向ける子供になりますが、「どうすればできる?」という問いかけに変えることで、子供もどうやったらできるだろうという考える脳になるそうです。



これに関していえば、私自身は、後者の方の考え方です。

というより、座右の銘が「できない理由を考えるのは簡単、それは言い訳だから」だからです。
〇〇だから、できないというのは、最もらくく説明しているだけで、結局、逃げであると思ってきました。そういう考えは、上司から煙たがられますがね。余計な仕事増やしやがって、みたいなね。


脱サラ前の会社では、よく仕事を振られた上司が、「〇〇だからできないんだよ」とか、外部から相談を受け、「〇〇だから対応できない」等と断っている姿を見て、こんな上司の下で働きたくないなと思ったものです。こういう人は、本当にたくさんいます。忙しくても、「どうやったらできるだろう」と言われると、部下も活気づきますし、一緒に頑張ろうと思えるものです。

そして、それで、できなくても、頼んだ方も、頼まれた方も気持ちが晴れやかです。

結局は、『自分は少しでも楽したいから、その仕事には手を付けたくない』って言っているように見えるんですよね。みんなきついんだから、前向きな声をかけられれば、相談した方も後々恩返しというか、助けようみたいになると思うんです。

常に「できない理由を考えない」で「やるための方法を模索する」考え方で仕事をしていると、直属の上司からは煙たがられますが、周りからの評価は自然と上がっていました。いつも頑張っているとか、一緒に仕事をしたいとか引っ張ってもらえたり。


だから、先生のこの話を聞いて、やはり、経営の世界でも、『〇〇だからできない』という人間より、
『どうすればできる?』という考えをもつ人間のほうが、打開策を見つけ売り上げをのばしているという話を聞いて、強く感銘を受けました。




ポイント2 『安売りをしない』

次に、お話をするのは、『安売りをしない』ということでした。

私たちは、低価格が好まれる現代、ついつい、いかにコストを下げ、安くするかということにとらわれがちです。

そのほか、売り上げ向上のために
・割引広告を頻発する
・商圏を絞らないフリーペーパーでの宣伝
・低価格競争に便乗し値段を落としてく
・人が集まる場所でビラを配る
等にも力を入れがちです。



実は、かくいう私の開店予定のお店も、フレンチなのですが、
「入りやすさ」=「リーズナブル」
という固定観念から、いかにコストを下げて安くするかということに頭を悩ませていたのです。


セミナーでは2枚の絵を見せられどちらが高いかと問われました。

実際のところ、どちらの絵も落書きのようで、いずれも高価なものに見えない・・・・。
後から、こちらは数億、こちらは0円と答えをきくと、なんだか、数億円のほうがやっぱりすごいような気になってくる。

おそらく、答えが逆であっても同じであると思います。



結局、

人間は値段を価値の高さとして判断する
安ければ、価値もそれなりに低いものなのだと判断する

ということなのです。


当店は、敷居の低い女性の入りやすいアットホームなフランス料理店をコンセプトに開業予定ですが、フレンチの敷居を低くしたいというコンセプトがあって、有名店で10年も腕を磨いたシェフの作る料理の価格を無理に落としてフレンチというブランドイメージ、シェフのイメージを下げる必要はないなと思ったのです。

安いものは安くしても、すべてのメニューでそれを追求する必要はないかもしれないと感じました。


低価格にすれば、それ以外のこだわりをアピールしない限り、シェフの腕も「それなり」と受け取られても仕方ないのです。


ちょっと話はずれるかもしれないのですが、グルメ番組などを見ていて、服装も大切だなと感じていました。

うちのシェフは動きやすさとおしゃれさから、Tシャツとキャップで料理をしたいと言っていたのですが、私は、客のイメージとして、コックコートにあの白い帽子をかぶっていると、たとえ料理の経験がほとんどなくても「なんか技術がありそう」「おいしいものを作ってくれそう」なんて思えてくると伝えました。

これが、ちょっとした人気店でスタッフもたくさんいて、それらのスタッフがそろいのTシャツとかならおしゃれだなと思うのですが、うちの店は、新参者の町の小さな洋食店。

シェフは納得がいっていないような感じでしたが、認知度の低い私どものような店では、おそらく、安っぽい服装では、店の商品も安っぽく見えてしまうのではと思うのです。
逆に、小さなフレンチ店&シェフがコックコートにロングエプロだと、安いけどなんか料理すごくできそうと感じますよね。わざわざ、価値を下げる必要はないんじゃないかと説明しました。

ほんと、事実はどうあれ、目から入ってくる情報とか、イメージってホント大事ですよね。


では、話を戻しましょう。
『安売りをしない』という話でしたが、
繁華街などでのビラ配り、広いターゲットへの宣伝広告、割引の頻発も、結局のところ、
・外でのビラ配り=うちにはお客がいないので来てください
・生活圏内にない客への広範囲は広告費が無駄
・割引で来る客は、割引が終わると来ない、また割引をだす、結局赤字
等の負のスパイラルになるとおっしゃっていました。

そんなことより、大手チェーン店でもない地元のお店は

・自分のお店を使ってくれそうな徒歩10分圏内へのお客さんへの売り込み
(無料試食会で招待しても原価で言えば広告費より安い、近隣のサラリーマンに店を知ってもらえるから、仕事帰りによる)

・安売りを求めるお客さんは浮気をしがちなので、単価の高い御客さんが求めるものに応じるよう努力したり、常連客をしっかり確保する、

・安い商品を求める客求めに応じて価格競争に参入するより、高い商品を求める客の求める商品に特化する(安いビールを並べるより、おいしいワインを求める客のために、ワインに特化する)等

のほうが売り上げを伸ばしやすいということです。


つまり、
・安いよ!安いよ!=安いものが好きな浮気がちなお客さんが集まる
・これすごいよ!これすごいよ!=良いものが好きなお客さんが定着する
のです。


今回話をお伺いして、目から鱗というか、必ずしも低価格に固執することはないんだと、うちもメニューの練りこみを再検討することにしました。

ポイント3 『価値を考える』

次に、自店商品の価値をを考えるということですが、例として価格帯がほぼ同じ2つのおせちの写真を見せられ、あなたはどちらを選ぶ?という質問でした。


1つは、色鮮やか、見た目もボリューミーな某有名デパートのおせち

もう一つが、写真の見栄えは暗っぽく、それほど華やかさはない老舗和食店のおせち


私は、迷わず、見た目で有名デパートのおせちと思いました。


ところが、そのあと、
有名デパートのおせちは、半年前の外注工場製造の冷凍で31日の一斉発送

老舗和食店のおせちは、前日職人が徹夜で作成し冷蔵配達

という情報が与えられると、今度は、やっぱり老舗和食店のおせちとなったのです。


人は見た目できめがちですが、他にはない自社のこだわりを、宣伝するだけで、売り上げは全く違うものになるのです。

自分たちにとっては、当たり前等と思っていることも、じつは顧客にとっては、
商品を選択するうえでとても有益な情報になる
ことが分かりました。


当店では、ランチセットで提供するスープやソースはいちから手作りで顆粒粉末やレトルトは一切使わないと決めています。

それも、本格フレンチ店であれば当たり前のようなことですが、リーズナブルな飲食店では、大概がレトルトソースや顆粒スープが素になっているところが多いですから、こういった小さなことでも「あえてうりこむ」ことが大切なんだなと感じ、メニュー表記も少し検討することにしました。

ポイント4 『顧客満足を追求する』

つぎに、『顧客満足を追求する』ということですが、ここで大事になるのが、じつは、
売り上げの8割は上位2割のお客さんが作っている
という事実です。

私たちは、どうも、『新規顧客』『新規顧客』と新規の顧客確保に力を入れがちですが、じつは新規顧客の求めるようなサービスを考えるより、まずは、
上位2割の顧客が何を求めているか
を追い求めるほうが、よっぽど売り上げを伸ばす方法なのだそうです。
上位2割へのえこひいきですね。

また、人は-のサービス(割引とか)より、+のサービス(プレゼントされた商品とか)のほうが感動を覚えやすいらしく、「これ、内緒でお店からサービスです」なんて、デザートなんて出された方が感動が大きいと言います。


上位2割が売り上げを作っているって、経営初心者の私にはビックリでした。


それから、参考までに、「顧客満足を追求する」という点を、脳科学で説明すると、
人間の脳は月に3回会うと、短期記憶から長期記憶に移行され、何かの時に「あ、この店を利用しよう」と思い出しやすくなるそうです。
月1回ずつでは、短期記憶のままだそうです。

この脳の働きを利用して、ある地元家電販売店では販売後3日間連続で「その後どうですか」等と訪問するそうです。そういった地域密着型の戦略により、大手家電量販店参入後も負けずに地元で売り上げを伸ばしたそうです。

要は、新規顧客より、既存客を訪問し大切にすることで、倒れないお店を作ることができるということですね。

ポイント5 『お客さんを共有する』

そして最後は、『お客さんを共有する』です。

お店に人を集めようとするとき、割引キャンペーンに行きがちです。

『ビール100円キャンペーン』などと割引差サービスをしても、そこに集まるお客さんは、『安いビール』目的ですから、キャンペーンが終わると離れていきます。

ある、沖縄料理の飲食店では、こういった赤字覚悟のキャンペーンをやめ、『沖縄大好き会』という会を始めたところ、沖縄好きのお客さんが多く集まり、お客さんが定着したそうです。

また、お店にバンドを呼んだりすることで、バンドマンのファンもお店を訪れるようになったりするケースもあり、自分の一人の力ではなく、周りの仲間とコラボすることで、その仲間の仲間も集客してしまおうというわけです。

それから、お客さんを紹介してくれる人は、紹介してお店から喜んでもらえることを喜びとしているたちの人であるから、紹介してもらったお礼をいつまでたってもほめ続けると、また新たなお客さんを紹介してくれるそうなのです。

「先日は紹介していただき…云々」「以前紹介していただいた…云々」とにかく、紹介者には、紹介直後だけなく、感謝の気持ちを伝え続けることが大切なのです。


それから、集客する際は、やみくもに人が集まる場所に行くのではなく、まず、自分の店のユーザーは誰なのか、きちんとターゲットを絞ることだそうです。

そして、そのターゲットが集まりそうな場所を選定し、その場所の責任者が喜びそうなことをして、ようは、責任者を取り込んで(?)、企画したりするといいということでした。

例えば、冬の住宅展示場におせち料理店が芋の子汁の無料提供を申し入れアンケートを取り、顧客リストを手に入れる等という営業は、寒空で早々に帰宅する客足を止めることができる展示場側のメリットがありますよね。こういった感じで、頭をひねって考えなければならないですね。

当店のターゲットは、主婦層と近隣で働くキャリアウーマン、それから大学生ですから、それらの集まりそうな場所・・・・・・・・・と、頭をひねって工夫してですね。

今日の記事のまとめ今回のセミナーを聞いて、開店予定の当店でも見直すべき個所が明確になりました。
経営初心者の方は、ぜひ商工会を訪れ、セミナーなどをチェックし、無料で参加してみると、とても有益な情報が得られますよ★
併せてこちらの記事もどうぞ→【飲食店節約開業】商工会へ行ってみた感想
モチベーション維持になるので
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